ページ

2010年2月17日水曜日

蕗の薹(ふきのとう)


友人宅で美山(京都南丹市)でとれた蕗の薹をごちそうになった。早春のうれしいごちそうだ。

莟(つぼみ)とは 
なれも知らずよ 蕗のとう  蕪村>

蕗の薹という植物名はない。蕗の花の莟を蕗の薹とよんでいる。蕗の花が開き切って終わる頃、その周辺の地面から小さな葉が顔を出して、成長して蕗になる。


熊本大学薬学部のホームページによると「煎じて飲むと、せき止めや痰を切り、解熱作用もありかぜの初期には効果がある。・・・フラボノイド等のポリフェノールが多く、アクが強いので、特に胃の弱い人は、あく抜きをして食べることをお勧めします.」ということだ。

 最近読んだ杉本秀太郎の「みちの辺の花」というエセー集(講談社学術文庫 挿絵は安野光雅)には

「蛤(はまぐり)のお吸い物に蕗のとうをこまかく刻んで浮かせる。春の香りがお椀から立って、まことにうれしい気持ちになる」

というくだりがある。薬味に使うのがいちばん手っ取り早し、というところか。

蕗の薹を使った料理はいろいろあるだろうが、ぼくはふき味噌と天ぷらを好んでいる。

料理レシピでは次のようだ。
蕗の薹はさっと湯通しして水にさらす。味噌にに味醂・酒 お好みで砂糖を熱しながらまぜて あら熱をとったら、水気を切ってみじん切りにした蕗の薹をまぜるだけ。ぼくの好みでは砂糖が入らないほうがいいと思うけれど。甘くなりすぎるのでは・・・砂糖を使うのなら、三温糖かざらめを使いたい。

また別の料理レシピによると、てんぷらは低めの温度で揚げるのがコツ。揚げているうちに莟が開くと苦味が取れるということだ。だけどこの苦味がいいのだがネ。