ずいぶん前から紫陽花の鉢が自宅にほしかった。それがやっと手に入った。
先週末(6月最後の週末)大阪の友人たちと総勢5人で、京丹後峰山の「天女の里」というキャンプ場でキャンプをした。キャンプといってもテントをはってするのではなく(実はテントで寝るのには、いささかトラウマがある)コテージを借りて自炊をするのだ。最近のキャンプ場のコテージは設備が良くて、エアコン、冷蔵庫、シャワー、風呂・・・今回はテレビまで備えられていた。(キャンプに来てまでテレビを見ようとは思わないが・・)
地元のスーパーや道の駅で買い物をして、できるだけ地元の食材を仕込む。そして自分たちで調理して食べる。これが安上がりで美味しいものが食べられる極意と知る。(大層かな?)
話を紫陽花に戻そう。そのキャンプの帰り道、京都丹波の道に駅で、山紫陽花の苗を見つけた。淡いブルーの好みのタイプだ! しかも値段が安い、¥250! 八重甘茶という品種だそうだ。 ふつう山紫陽花というとけっこういい値段で売られている。 苗だけでも¥600~¥1000。ちょっといい鉢に入っていると、¥1300から¥3000近くのものまである。もちろん品種によって貴重なものとかがあって、そういう品種のものは高いのだろうけれど、どちらかといえば、いやもともとぼくは植物を育てるのが下手なので、育てているあいだに枯らせてしまう確率だって相当高い。八重甘茶には申しわけないことだが、¥250というのは、ぼくとしては分相応というか、手を出しやすいのだ。迷わず買った。
ネットで育て方をいろいろ調べてみると、どうも花の衰える直前に花摘みをして、枝を剪定し、お礼の肥料をやるというのが「正道」らしい。いやその前に小さい窮屈そうなビニールの鉢に入っているのを、大きな鉢に移してやらねばならない。ここで実は迷った。せっかくきれいな花をつけているのに植え替えをして、枯らしてしまっては元も子もない。植物育ての下手なぼくには、そういうリスクが非常に高いのだ。それで花が衰えるまで、その小さな鉢のままで、花を楽しむことにした。これまた八重甘茶には申しわけないことだけれど、きっと八重甘茶さんは「やれやれ、えらいおっさんに買われたもんや」と思っているに違いない。
そんなことで、なんとか一週間花を愛でさせてもらった。八重甘茶さんありがとうね。ということで、やっと思い定め、今朝花摘み、植え替え、剪定をした。肥料もやった。おまけに剪定で伐った枝を別の鉢に五本ほど挿し木をした。すべてネットの教科書どおりに!(写真は花を摘まれる直前の八重甘茶さんです)
ところが、作業を終えたところで不吉なことを思い出した。ずいぶん前、まだ下京に住んでいたころのことだ。近所のおばさんが「手を嫌う」ということばがあるって。植物育成用語(俗信・俗語)にそういうのがあるらしい。どうもぼくの手は「嫌われている」のではないかと、思いあたるふしがある。何度か紫陽花の枝をパクってきて挿し木を試みたことがあるが、ことごとく失敗している。
とほほ、やれやれ。どういう結果になることかと、不安をかかえつつ、ふたつの紫陽花鉢を眺めている。