もう少しで嫌な雨の四季。新聞紙からも水が滴ります。こんな季節には紫陽花を見つけるとホッとしますね。まさに梅雨の女王。
ところで、本来の「紫陽花」とは、唐の詩人の白居易さんが命名したということ。これが別の紫の花のことで、平安時代の学者、源順(みなもとのしたごう)が、今のあじさいにこの漢字をあてたため、誤用がひろまったらしい。ちょっと酷い話ですが、こんなことはよくあったらしいですね。でも日本語ではこう呼んだのだからいいか・・・
ところで東京堂出版の辞書によりますと、平安期に入っても「あぢさい」はあまり有力品種とはならない。初夏の景物として今日ほど一般化したのは、どうやら明治以降のことらしい。優れた園芸改造の結果と近代の感性とがマッチしたためでしょうね。
「紫陽花が女の乳のごとまろし臙脂ふくめる五月雨の中」与謝野晶子