「口をもて霧吹くよりもこまかなる
雨に薊の花はぬれけり」
長塚 節
薊の名前の由来は、「和名抄(わみょうしょう・932)」に「葉には刺(とげ)多し、阿佐美(あさみ)」という記述があります。また「植物名の由来(中村浩・1980)」には、「アザムという言葉は、アサマから転訛(てんか)したもので、傷むとか傷ましいの意である」という解説があります。アザミに触ると刺があり痛いので、アザム草が転訛してアザミと呼ばれるようになったということらしい。
ところが別の語言もある。沖縄の八重山地方では、とげを「あざ」と呼ぶことから「あざぎ」(とげの多い木)と呼ばれ、しだいに「あざみ」になった。
「アザム」には「驚きあきれる」とか「興ざめする」の意味があり、花が美しいので手折ろうとするとトゲにさされて痛いので、驚きあきれ、興ざめする」ということから、この名前がついたらしい。
昔、イギリスで、スコットランドとイングランドが戦争をしていた時、この痛いトゲでスコットランドを守ったことから、今もスコットランドの 国(地方)の 国花となっています。
薊の種類で大部分のものが食べられます。若ければ刺は揚げたり、ゆでたりすれば気になりません。てんぷら、ごまあえ、クルミあえ、からしあえ、油炒め、きんぴらなどです。
芽、葉、根を用いますが、根は1年中利用できますが、強いアクがあるため、ゆでてから米のとぎ汁で一晩さらすといいでしょう。