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2018年3月17日土曜日

三葉躑躅 (みつばつつじ)

竜田川いはねのつつじ影みえてなほ水くくる春のくれなゐ 藤原定家『新続古今集』


信楽といえば陶器で有名だけれど、これは隠れた名産になるかもしれないが、毎年今頃になると花をつける三葉躑躅が美しい。特に信楽の躑躅の色があざやで美しいいと思うのはわたしだけだろうか。交通がどんどん不便になるので、車で行く以外は信楽高原を使う以外手がないのだが、時間があれば是非お勧めでである。

亀岡には高熊山という山があって、この高熊山には古来一つの謎が遺っておる。
『朝日照る、夕日輝く、高倉の、三ツ葉ツツジのその下に、黄金の鶏小判千両、埋(い)けおいた』(略)自分は登山するごとに、三ツ葉ツツジの株は無いかと探してみたが、いつも見当らなかった。大正九年の春、再度登山して休息しておると、自分の脚下に、その三ツ葉ツツジが生えておるのを見出し、
はじめてその歌の謎が解けたのである。(略)『三ツ葉ツツジ』とは、三つの御霊、瑞霊(ずいれい)の意である。ツツジの言霊は万古不易の意である。

4-5月頃に咲く紅紫色の花が美しいわけだけれど。花が終わってから葉が出てくる。枝先に三枚の葉がつくことからこの名がついた。代表種の「三葉躑躅」はおしべが5本あり、「東国(とうごく)三葉躑躅」、「大山(だいせん)三葉躑躅」、「小葉(こばの)三葉躑躅」、 「西国(さいごく)三葉躑躅」、「南国(なんごく)三葉躑躅」は おしべが10本ある。