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2012年2月9日木曜日

【今日のお酒】 日本酒


 ぼくは、いわゆる‶酒飲み〝。30年以上毎日飲まなかった記憶がない。立派なアルコール依存症であるという人もいる。ぼくの爺さんがは朝昼夜と食事どきに飲み、それでも早朝から商売にせいをだして働き、83歳で亡くなった。亡くなる直前まで、この生活習慣を‶守った〝。

 とても爺さんの真似はできないが、毎日黄昏どきになると飲みたくなって、仕事の締めくくりももどかしく、集中力も落ちてくるのがわかる。これもDNAか? が、お酒のおかげで‶早寝早起き〝という生活習慣を永年続けることができている。飲みすぎて、酒が体の中にのこっていることも、しばしばありますが・・・これはハズカシ!

 そこで、今日は日本酒。右の写真のパックは何と2ℓ¥990。アルコール度数が少しひくいので、酒税が安いのかな? 初めて彼(彼女)に会ったときは、料理酒を探していた。スーパーマーケットで売っているいわゆる料理酒は安いけれど、塩や甘味料・・いっぱい!こんなの使いたくない!、で発見したのが清酒正宗。極上だとはいえなけれど、軽妙で、クールです。

 酒は燗で飲めという爺さんのおことばでしたが・・・
 
 日本酒は飲むと、次の日が体が重い、やはり爺さんの遺言どおり、燗で飲むべきか。

 そこで開高健の日本酒エッセーです。これは1980年代に書かれたエッセーです。確かに古いですが、


 「ラムをあたためたのを‶グロッグ〝、ウィスキーをあたためたのを‶ホット・トディー〝、ぶどう酒をあたためたのを‶ヴァン・キュイ〝(または‶ヴァン・ショウ)という。いずれも冬の夜のたのしみであるが、今日は税務署へいったあとだから風邪をひきそうだとか、三日つづけて女房の顔を見たので何だかゾクゾクするとか、そういったときの飲みものである。いつもそうして飲む酒ではない。
 あたためてのむとその本質のうまさが登場し、しじゅうそうして飲まれる酒といえば、日本酒か紹興酒ぐらいしか思いだせない。・・・日本酒世界でも珍しい酒であり、稀なものなのであると思えてくるのである。ところが昨今(または最近三十数年の)、この貴重な日本酒の味が、手におえない堕落ぶりである。
 ・・・たまたま田舎を歩いていて、サラサラとした辛口の地酒に出会うと、・・・拍手をしたくなる。お酒呑みなら大げさないかただとはけっしてお思いになるまいと思う。そして・・・刺を通じて酒倉を見せてもらいにでかけたりすることがある。この甘ったるい時代の酒流にのらないでひっそりと、しかし堂々と背を向けていらっしゃるらしいその酒造家の顔をみたくなり会ってみたくなるのである。

 ・・・いったいこういうクド口がはびこるようになったのは米が不足した戦時中に‶サンバイジョウゾウ〝(けたクソわるいのでカタカナで書かせて頂くが――)という苦肉を編みだして以来のことで、永い永いこの国の酒史のなかではお話にならない浅薄さに酒造家がアグラをかいているからなのである。そういうクド口を黙って飲んでいる酒徒にも責任があるが、A級戦犯はもっぱら酒造家にある。
 香水、料理、お菓子、歯みがき、石鹸、これら官能品で甘いものは幼稚な段階にあるものといいたい。いまの日本酒は酒品をいえば幼稚園の味である。どんな本を読んでいるか言ってごらん、そしたらあなたがわかる。これは酒にも通ずることである。大きな声をだして飲んでいますと答えられるサケをつくっていただきたいものである。


      『開口一番 いいサケ、大きな声』

あと何日かシリーズ続きます。 よろしく!