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2012年1月5日木曜日

私の上に降る雪は・・・

<私の上に降る雪は 真綿のやうでありました>

 また雪が降った。今朝起きると、屋根に2㎝ばかりつもっている。この冬二度目の積雪。昨日の午後急に冷たい強風が吹き出したと思ったら、白いものがちらつきだした。夜、帰りの中のバスの中から、暗くなった窓外を眺めていると、北へ上るにつれて、雪の降る模様が濃密になる。自宅のある岩倉バスを降りたときはすでに雪は積もりかけていた。

 京都の町は北に上がるほどどんどん気温が下がり、市内中心部と岩倉とでは、3度くらいの差があるといわれるけれど、ぼくにはもっと温度差があるように思える。夏は窓を開けていれば、何とかエアコンなしで過せるが、冬は「じんじん」という音が聞えるくらい冷える。

 それでも京都の雪はみやびやか。華麗に優しく降る。20代のころ彦根に3年余り住んでいた。ぼくの雪体験としては、その期間がいちばん厳しかった。井上陽水の「氷の世界」というアルバムがリリースされたころ。この歌が雪を引っぱってきたのかと思うくらい、毎日雪が降りしきった。雪が小休止しても、雪が凍って町全体が冷凍庫になる。自転車はいうにおよばず、歩いていても滑る。

 めげそうになっているぼくに、会社の上司は今年は「雪が多いんや」と気慰めをいってくれたが、次の年も、その次の年も同じだった。あの人、今どうしてるかな? こんなに寒い所にどういうわけがあって人が住むようになったのかと思ったものだ。

 昨夜は、「真綿のやうに」降る雪を眺めながら思い出したことがある。中学校の一年生のときの担任の先生が、島根の出身だった。その先生は、「山陰では屋根に降る音が家の中に聞こえる」といっていた。

<私の上に降る雪は いとしめやかになりました……>

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